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CADCEUSの有効利用と中国ネットワークについて(第3回)


 
  黒沢孝夫氏
  1984年 大手製薬メーカーとのタイアップにて血液の遠心分離治療器の開発、設計に従事
  1986年 (株)富士精工 入社。金型設計部門のCAD化を押し進め、取り組み後1年後に設計の全作業のCAD化を達成
  1989年 CADCAMの3D化に取り組み、現在に至る
  2000年 取締役営業本部長として就任
   

中国での事業展開

 

私共は現在、中国での事業展開をすすめております。
今年の10月、中国の大連に100%出資の金型設計会社を設立します。その後2年ぐらいで、青島、上海、珠海、東莞と、勢いのある海沿いに出張所、支社を作る予定です。どの拠点にもCADCEUSを置いて、「CADCEUSを利用した日本−中国間ネットワーク」を構築します。ADSLを利用したブロードバンドで十分CADCEUSのデータをやり取りできると思っておりますので、あとはテレビ電話を利用して現地と日本で若干の打ち合わせをするだけでなんとかなるかなと思っています。

   
 
   
  現地の従業員は全面的に現地の中国の人を使う予定です。今、フジグループでは中国で採用を決めた人を日本に呼んでおりまして、日本ユニシスさんの協力を受けながら、現在4〜5人がCADCEUS操作および金型設計訓練中です。訓練が終わり次第現地に戻して、先生として現地で採用した中国の人たちを育て、新会社の立ち上げに参加してもらいます。
   

なぜ中国に進出するか

 

中国進出の最大の狙いは、各出張所・支社での情報収集と日本への金型発注です。大手製品メーカーさんが中国に進出して、そこで作った品物を中国や日本で販売するのが当たり前になっています。我々日本の金型メーカーも生き残りをかけてコストを下げ、納期を縮めているのですが、やはり仕事の絶対数があきらかに中国にシフトしてきている。これは疑いようのないことだと思います。

中国でも良い金型ができるようになったという話はよく聞くんですけれども、それはほんとうにごく一部の金型メーカーさんだけです。大多数のローカルメーカーさんは正直言って非常に質が悪くて、メリットは安いだけです。あれだけいろんな外資が入って品物を作ろうという中で、ごく一部の優秀な金型メーカーさんだけでは金型ニーズは絶対賄い切れないと私共は思っております。
中国でもできそうな金型を我々日本の企業が競い合ってもたぶんまったく勝てないでしょう。しかし、中国で作るにはちょっと無理かなという金型を日本に持ってきて製造することができれば、まだまだ十分な仕事量を確保できると思っています。日本で製造するために中国に出るなんて甘いといわれるかもしれませんけれど、我々はそのためにアンテナショップとして出張所を設けるという決断をしました。

2番目の目的は、現地進出したメーカーへのサポート強化です。今回の金型設計会社は、実際にはすべて現地のローカル金型メーカーと技術支援のタイアップをしたうえで、ローカル金型メーカーの一部を利用して立ち上げていきます。中国には従業員1500名を超える非常に大きい金型メーカーもありますので、そういうところと手を組んで大きいものから小さいものまでサポートできるような体制を取ろうと思っております。
サポートは、日本から進出されたメーカーさんには非常に気になる点です。サポート専門の金型メーカーさんのところには、すぐ修理しなければラインが止まるという重要な金型を載せたトラックが長蛇の列でメンテナンスの順番を待っているということを聞きました。サポートができなければたぶん新型の受注はないと我々は踏んでいますので、サポート体制を万全にして、我々が送った金型はメンテナンス含め全部面倒みられますよという体制を作って、メーカーさんの信用を得たいと思っております。

中国進出のためには、関税緩和方策も重要です。日本で金型を受注してそれを中国に送ると、約30%の関税がかかるという話を聞いております。これではコスト高で勝負になりません。だから日本から行った製品メーカーさんも、品質が悪いところには目をつむって、現地に金型を発注しているのが現状かと思います。
しかし我々の現地法人が仕事を受注して、この金型はどうみても中国で作るのは難しいという判断を中国省庁に申請し、中国省庁がOKすれば大きな関税の引下げがありうると聞いています。それを利用して中国に出られたメーカーさんが現地で発注できるような体制をとるためには、やはり我々が出て行くしかないと判断しました。

   

中国でCADCEUSを使う

 

今回は大連の本社および各支社にCADCEUSを10台づつ配置する計画でおります。まずは中国にアンテナを張ることが目的なんですけれども、せっかく日本でCADCEUSの操作を習得して現地に配属するのですから、これを使わないのは非常にもったいない。そういう意味で、私共で教育を受けた人が中国にいるのは大きなメリットだと思っています。設計思想やデータの処理も統一することができますので、我々と同じような環境で全体の金型金額を下げることができます。ゆくゆくは、ネットワーク上に必要な情報を載せれば数日後にその部品が輸入できるようにしたいと考えております。

去年、中国の現状視察に行きましたが、金型専門の大学には日本の企業でも導入できるのかなというくらい高価な工作機械とCADがずらっと並んでおりました。我々も負けずに中国でいいものを作って、中国の皆さんから評価を受け、現地の金型メーカーさんに日本のCADCEUSを使って設計をすることは最良の方法であるという事を知って頂きたい。
CADCEUSにはぜひとも世界に誇れる世界一のシステムになって貰いたいと思います。

   
    「CADCEUSの有効利用と中国ネットワークについて」はこれで終了です。
     
     

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