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「松下電工におけるコンカレント・エンジニアリング」
―中国に勝つものづくりを目指して−
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松下電工株式会社 生産技術研究所
製造システム開発センター 所長 小畑外嗣 氏
−本稿は弊社主催「MOLDセミナー2002」におけるご講演内容の収録です。
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背景と企業活動方針
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これからのものづくりの舞台を考える場合、「高度情報化」「グローバル化」「環境への影響」「少子高齢化」の4つの背景は欠くことができません。特に現在すでに目前にあるという意味で、中国のものづくりへの進出という脅威は差し迫った問題です。
松下電工内でも中国進出に打ち勝つ方策をここ1〜2年社内で検討しています。現有財産を知的財産権で防御するとか「防御策」はいろいろ出てきていますが、真正面に勝負した場合、特にコストで勝てるかというとこれは大問題です。
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ものづくり対中国戦略
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そこで、我々の強みと弱み、打ち勝つためのポイントをまとめたのがこの図です。
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我々の強みとしてはまず、社内に商品部門を持っていますから商品開発部門からの一気通貫したものづくりの仕組みが作れます。また、バックグラウンドにある先進の技術開発部門と一体になったものづくりができます。中国ではなかなかそれがうまく行かないんですね。
3つ目は、中国ではありえないくらいの一級技能士の集団を抱えている。この3点が強みだと思います。
一方弱みは、何といっても非常に高い人件費と、深夜残業・休日労働・職場確保等の労働制約条件。それから、昭和の後半から平成にかけて社員がやや受身になってきている。このあたりにあると思います。
これらの弱みと強みを認識しながら、どうやって勝つか。
まず重要なのは、コンカレントエンジニアリング。それもこれまでにない高速コンカレントエンジニアリングの実現です。
次に中国、アジアが現在持っていない革新工法の開発。従来、日本の技術者は私も含めて中国、韓国、台湾、タイの人たちの前で、平気で社内のノウハウを喋りまくっていました。が、このようなノウハウは今後非常に注意深く扱うようにしなくてはならない。革新的な技術については一切外に出さない、出してはいけない。特に開発系はださないという意識をもってやっていこうと思います。
それから日本の強い設計力をさらに深めていくこと、すでに相当差がある技能を追いつけないくらいに進めていくこと、最大限のITを使った無人工場を試行することが重要と考えます。
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生産技術戦略と具体策
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私どもの生産技術研究所は生産技術戦略として次の3点をあげています。
■ 商品企画・開発まで踏み込んだCS直結型生産技術 →高付加価値商品の創出
■ 高効率ハイスピードのトータル生産技術 →CE (Concurrent Engineering)
■ 商品トータルコスト最小化を目指す生産技術 →BPR (Business Process
Re-engineering)
松下電工の特色として、まず「ものづくりの3大技術」があります。
「商品技術」「生産技術」「評価技術」を我々は「ものづくりの3大技術」と位置付け、このトライアングルの中で生産技術の革新を推進してきました。
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たとえば、下の図は全体最適へのプロセス革新をあらわしています。縦が商品開発プロセス、横がビジネスプロセスとなっていて、縦の商品開発プロセスを革新するのがコンカレントエンジニアリング、横を革新するのがBPR。
ただそれらの技術をやみくもに使うのではなく、コンカレントエンジニアリングについては商品の分析を、BPRについては生産分析と業務プロセス分析をきっちりやって評価し、その上でIT化を進めています。この3つの分析を造語でVarasism (Varaiety
Analysisi Metiod) −商品設計の最適化・ビジネスプロセスの最適化分析− と呼んでいます。
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コンカレントエンジニアリングについて、事例をあげてお話します。松下電工が製造販売している「ナピオン」という人体検知センサーがあります。非常に小さなセンサーです。
世の中には色々な人体検知センサーがありますけども、これほど小さなセンサーはないと思います。このセンサーで、玄関に人が来ると電気がつくとか、ホットカーペットに座ると電源が入るということが可能になります。この「ナピオン」を開発するためには、どうしても解決しなくてはならない技術課題がいくつもありました。それらを解決し開発を進めるためには、複数の部署がコラボレーションしつつ分担して作っていく必要がありました。
「きちっと分担しながらコンカレントにコラボレーション」これができないと難易度の高いものを短期間に開発することはできません。工学設計関連のシミュレーション、熱応用関連のシミュレーション、赤外線装置の熱解析、そして光造形機。これらを多用しながら製品を開発しました。開発後は、量産をにらんで生産工程の分析と商品の見直しをやり、コストを下ろしていきます。ここでもVarasismを使っています。
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第2回につづく・・・ |
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