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ITものづくりスクール3次元教育システムの導入
 ―プラスチック金型設計技術者の育成をめざして― (第1回)


山崎国広氏
1981年に雇用・能力開発機構に入社。汎用機械がご専門ですが、主にマシニングセンターを使ったCAD/CAMシステムによる加工をてがけていらっしゃいます。
プラスチック金型設計、2次元金型設計システムを使ったCAD設計システムのカスタマイズなどを経て、現在は3次元金型設計システムによるセミナーの企画などを担当しておられます。

近畿職業能力大学校の
3次元CAD/CAMによる金型設計応用加工技術講習
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近畿職業能力大学校 ものづくりとITを組み合わせた教育システム

  校舎風景近畿職業能力開発大学校は平成11年より従来の短期大学校に設置されている「専門課程(2年制)」に加えて専門課程の修了生を対象に生産技術・生産管理部門のリーダーを育成する「応用課程(2年制)」が新設されています。

応用課程はものづくり大学校として位置付けされ、生産システム技術系として、生産機械システム技術科、生産電子システム技術科、生産情報システム技術科の3科の学生が実践的課題のテーマに取り組み、グループ制によるものづくりを進めている他、建築施工科も同様に教育しております。

グループによるものづくりは科を超えた小集団グループでありますので、うまくかみあわないときは何も進展しないことにもなりかねません。しかし、噛み合うようになると人数以上のことができることになります。

働く企業の方へ技能・技術を支援することについては従来から実施しておりますが、国家プロジェクトの中に金型製造業に対するデジタルマイスターの推進の取り組みというものがあります。熟練技術者のもつ技能の技術化や、3次元CADデータを用いた新生産システムの設計手法を中小企業にも推進していくという内容のものです。

金型業界は小人数による製作方式がほとんどでありますかから、金型作りの現場において、3次元CAD設計を中心に据えた設計手法で生産しろと言われてもそう簡単にかえられるものではありません。2次元設計図面に従って精密な金型を作り上げていく手法は、熟練の現場における技能・技術者の経験に負うところが多い、といえます。

これまでに培ってきた経験による技能をデジタル化して蓄積し、生産工程の高度化を図っていくことに、早急に取り組んでいくことが競争力の強化につながり、長年培ってきた技能・技術を活かしたものづくりをすることができます。

設計技術者を育成していくというのは、大変時間と費用がかるものですが、当施設ではものづくりとIT(情報技術)を組み合わせた教育システムを構築し、実際に企業内でおこなえわれているものづくりの仕組みをいかに効率よく3次元化していくか、取り組まれている企業に対し、お手伝いをしようということを基本に、今回のシステム作りをスタートしました。
   

新しい生産方式に対応したセミナーの構築

 

これまで私たち実施しているセミナーといえばこれまでは3次元CAD/CAMシステムとか、3次元CAD/CAEシステムとか新しい流れの中での単純なデジタル化を図るといった内容のものがほとんどでした。 たとえば3次元CAD/CAEシステムでいかに効率的なCAM加工を実施するといった内容のものです。

そこで、今求められている新しい生産方式に対応したセミナーをどういう風に構築していったらよいか、いろいろな方面から検討を重ねました。

今回はものづくりを主体に置き、それに同時並行しながら、設計段階での検討事項を多く盛り込むことで、より思考性の高いものにしていくことを狙いに、設計の段階での検討事項をセミナーの中に盛り込んでいきました。 チーム設計の流れを習得していこうという考えを基に3次元型設計システム内容の分析と、設計に必要な要素をなるべく多く盛り込み、教育システムの中に活かそうとういうものです。



   

プラスチック金型設計システムの新規導入

 

今回導入したプラスチック金型設計システムは、日精樹脂工業が10年以上前から取り組まれている「2次元金型設計の3次元設計システム化」を実現したものです。

2次元CAD設計システムと3次元のCAD設計システムが融合されたものということですので、2次元設計から3次元設計に大きな変革をやろうというところにとっては、まさにうってつけと思います。

設計から加工までを全て1つのシステムでまかなうということは操作性では大変便利でとっつきやすいわけですが、日本には多くの金型関連のCADシステムを作っておられるところがありますので、いくつかのメーカーのソフトを比較し、今回の教育システムに使えるものを選択しました。

ここで使用する教材については全て統一性をもたせるため、製作する樹脂製品のモデリングをするところから、CAM・CAEまですべて共通のモデルを使用し、テキストも製作いたしました。

金型設計・製作にはNC機械によるCAM機能はかなりのウエートを占めますが、金型の加工にはかなりの熟練が必要なわけですので、加工手順とか、加工条件、加工コスト(時間)など管理ができるシステムを選び加工工程管理が構築できるような内容のシステムを選択しました。

また樹脂製品の金型内での流動状態を推測するのに、製品の形状が複雑化すると人の経験では図りしれない部分が多くあります、設計の初期段階で樹脂充填はもちろんのこと、会合角(ウエルド)、厚肉部の温度分布の解析などあらかじめ知っておくことは設計段階では非常に大事なことです。

3次元樹脂解析には非常に長い解析時間が必要ですが、解析ソフトの向上により高速で短時間で評価ができるシステムになっております。

 




解析の授業では
コンピュータ上だけでなく
実際にショートショットをとって
検証します














   
 
材料別成形結果
成形結果を確認し
問題解決にあたると同時に
材料別で成形結果
を 確認 します
   
  このシステムを構築し、それでは教材はどんなものにするかということにしぼられてくるわけですが、金型設計で最低限必要な要素すなわち、

 ■1 3次元形状であること

 ■2 ゲートの方案に考慮が必要なもの

 ■3 ブッシュがあるもの

 ■4 スライド形式があるもの

 ■5 肉厚の変動があるものの

の5つのポイントを設け、教材はできるだけ早期の段階での検討や、工程設計ができうるものにしました。
     
    第2回につづく・・・
     
     
     

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