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株式会社 アーク 事例紹介


総合開発支援企業としてグループ拡大戦略を推進
3次元データの活用で高精度・短納期の製品開発を実現

 

 世界的な競争が激化するなど製造業を取り巻く環境は極めて厳しいが、そうした状況の中、新製品開発に関するトータルサービスを行っているアークでは、グループ拡大によるフルライン化の充実と3次元CAD/CAMシステムの活用を企業戦略の中軸に据え、デザイン・設計からモデル試作・金型・成型の開発プロセスにおいて、高精度かつ短納期での製品開発を実現し、事業拡大に資している。そこで、同社のグループ拡大戦略と3次元CAD/CAMシステムの取り組みを事例として紹介する。

     
 
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株式会社アーク
開発ディビジョン
執行役員 中尾 一生氏
     
   
本稿はClub Unisys 2004年2月2日に掲載されました。
Club Unisysは、広報誌・webサイト・電子メールの3つのメディアを使い、
日本ユニシスグループの最新情報をタイムリーにお伝えするコミュニティです。
     

多数の金型メーカーなどと資本提携し、グループ拡大戦略を積極的に展開

 

 総合開発支援企業を目指すアークは、企業戦略として、(1)多数の試作品会社や金型メーカーなどと業務・資本提携し、グローバルな規模でのグループ拡大路線と、(2)デザイン・設計から金型・成形までの開発プロセスのデジタル・データ適用によるスピード対応を推し進めている。

 グループ拡大の狙いについて、同社開発ディビジョン 執行役員の中尾一生氏は「アーク本体が得意とするモデル試作に加え、上流のデザイン・設計や下流の金型・成形を得意とする会社にも仲間に入っていただき、新製品開発の全プロセスを総合的に支援できる企業になりたいと考えたからだ。このため、国内はもとより世界各国の企業に資本投入し、規模の拡大を積極的に進めている」と語っている。

 第一弾として98年金型メーカーの安田製作所との業務・資本提携を手始めに、99年に自動車デザイン開発のシバックス、その後、成型会社のソルプラス、金型メーカーの昭和精機工業、徳島昭和精機、積水工機、江川精工、岐阜精機、ムネカタ等々をグループ傘下に加えていった。同時にアジア、ヨーロッパ、北米の設計会社や金型・成形会社の各社とも続々資本提携し、現在、のようなグローバル・ネットワークを形成している。

   
 

図:
グローバル・ネットワーク ─ グローバル化とフルライン・ネットワークによるソリューション
     

フルライン・ネットワークの形成で開発の効率化とスピード対応を実現

 
 同社は、このような拡張戦略のもとに市場競争力を強化し、総合開発支援企業として大きく飛躍している。同社の大きな企業戦略として、3次元CAD/CAMシステムの積極的活用を掲げているのが特徴。

 例えば、デザインから金型製造に至る各プロセスを3次元CAD/CAMシステムにより有機的に総合させたフルライン・ネットワークを使い、次のような開発プロセスの効率化とスピード対応を実現している。
     

完成度の高いデザイン制作を実現

   “顧客企業のデザイン戦略を踏まえて商品性や生産性を考慮し、機能性・操作性・デザイン性を追求する”ことが、同社のデザイン・ポリシー。同社では、デジタル化の進展に対応し、デザイン段階から3次元データ化することで、完成度の高い意匠制作を可能にしている。

 また、デザイン工程では、コンピュータ・グラフィックス(CG)によるプレゼンテーションが一般的になっているが、この面でも高品質なCGを提供できる体制づくりを目指している。
   

筐体設計の時間短縮や品質向上を実現

   筐体設計では、最新の3次元CADシステムを活用して、設計作業の時間短縮や品質の向上はもとより、リアルタイムに生産データを作成している。その開発においてはソリッドデータを軸とする設計を主流と考えている。その理由として「特に、最近は顧客ニーズの多様化が激しく、複雑な曲面で構成された商品が多くなっている。そのため、一般的な図面だけで表現される形状から感性までも表現する3次元曲面への移行は避けられないものとなっており、従来の技術では表現不可能な製品形状がますます増えつつある。

このため、当社の3次元 CAD/CAMシステムでは、デザインから金型に至るまで、最も表現困難とされる3次元曲面をデジタル・データとして一元管理し、NCやMC(マシニング・センター)などのCAMにより再現することによって、高精度かつ短納期での製品開発を実現させている」(中尾氏)と語っている。
   

ソリッドデータによる光造形システム

 

 また、ソリッドデータを基軸とした開発手法の時代を迎えているが、同社では、いち早く光造形設備やそれらをサポートするハイエンドな各種3次元CADシステムを備え、ソリッドデータ作成、キャスティングなどの光造形サービスを開始している。

   

デジタル・サービス・ビューローとしてCADセンターを設置

 

 同社では、こうしたデジタル・データの高度化利用とその扱うデータの複雑化に伴い、顧客企業、グループ各社や同社各事業所の3次元CADを基軸とした開発システムへの本格的なサポートのため、3次元CADに関する情報、知識、技術を集約し、さらに進化させるデジタル・サービス・ビューローとして東京本社内に“CADセンター”を設置している。

 中尾氏は、その役割について次のように説明している。

1. 設計・試作・金型製作に至るプロセスにおいてデジタル・データの一元化とコンカレント・エンジニアリングの実現で時間短縮と総合開発費用の低減を図る

2. デジタル・デザイナー、デジタル・エンジニア、デジタル・モデラーのエキスパート育成のため、スキル向上を基本とした教育を実践している。例えば、新卒者はベテラン・エンジニアの指導のもと、独自の3次元教育システムにより、基礎から徹底的に鍛え上げ、実務でトレーニングし、いかなる環境にあっても対処できる人材として養成。

3. 多種にわたる3次元CAD(Pro/E、CATIA、I-DEAS、UniGrahicsなど)を効率良く運用できるネットワーク環境を構築し、社内外を問わず迅速なデジタル・サービスの提供。

4. 進化する各3次元CADの最新情報や顧客の技術情報をいち早く把握して、効率的良く運用できるように環境を整備し、デジタル開発の各プロセスで作業の高速化を推進。

5. グローバル・ネットワークを活用した24時間体制のデジタル・サービスの提供による工程の短縮化の推進。

   

グループ企業間の技術情報の一元化が今後の課題

 

 中尾氏は、もう一つの役割として、グループ企業の技術情報の一元化をいかに実現するかが今後の課題だとしている。つまり、グループ拡大戦略により、多数の金型メーカーがアークグループの傘下に加わってきた。「仲間になった金型メーカーのほとんどが日本ユニシス提供の統合CAD/CAMシステム「CADCEUS」を使っていた。その結果、アークグループとしての金型製造においてCADCEUSによる型設計の占める比重が大きくなってきた。

ただ、CADCEUSを使っているといってもそれぞれ文化が違うし、型設計の方法も違っている。異なる文化をすり合わせて、グループ企業としてのシナジー効果を出していくには技術情報の一元化が必要となってくる。各社で技術情報が共有化できるようになれば、どんなに大きな物件が飛び込んできてもそれぞれ得意分野に振り分けての協業作業が可能になる。

 このため、金型メーカーを集めて、技術交流会を定期的に進めており、その中で、CADCEUSを核としたCADデータの一元化を図っていこうと考えている。これによりシナジー効果を発揮できるようにするのが、CADセンターの大きな役割だと思っているからだ。その意味で今後、CADCEUSの活躍する場面は広がってこよう」と語っている。

   
   
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デザインモデル(携帯電話)
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光造形(携帯電話)

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光造形(掃除機)
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大型光造形装置マンモス

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大型光造形装置マンモスによって
作られたインパネ
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大型光造形装置マンモスによって
作られたドアパネル
   
 
 

株式会社 アーク
http://www.arrk.co.jp/

 
   
   
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