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自動車用プレス金型 ソリッド設計への取り組み (第1回)


今回から3回に渡り、いすゞ自動車株式会社 車両部品技術部 型設計グループ グループリーダー 染谷隆志 氏にいすゞ自動車におけるソリッド設計への取り組みについてお話しいただきます。本稿は2003年12月に開催しました、CADCEUSユーザフォーラムでのご公演内容です。

   染谷隆志 氏 プロフィール

1980年いすゞ自動車株式会社に入社、造型部に配属され、以後18年間プレス金型の設計業務を担当。この間、ジェミニ・エルフ多くなどプロジェクトに携わる。また、CAD化推進のためのソフト開発も担当し、設計合理化に成果をあげる。現在は型設計の3次元CAD化推進の業務に就く。
     

いすゞ自動車株式会社 紹介

 

私が所属する車両部品技術部は藤沢工場の中にあります。藤沢工場は1962年に操業を開始し、小型/中型トラックの組立と各種コンポーネントの製造を行っています。研究施設も併設しています。

 いすゞ自動車株式会社 (http://www.isuzu.co.jp/)

  •  資本金 : 555億450万円
  •  設立 : 1937年(昭和12年)
  •  GMと提携 : 1971年(昭和46年)
  •  従業員数 : 7,634 (2003年3月)
  •  売上高 : 7,606億円(‘02.4〜’03.3)
  •  車輌生産台数 : 47.0万台(’02.4〜‘03.3)
  •  各拠点
     本社 : 東京品川区大森
     藤沢工場 : 神奈川県藤沢市 (中型小型トラックの主要生産拠点・完成車生産工場)
     川崎工場 : 神奈川県川崎市 (大型トラック生産拠点・完成車生産工場)
     栃木工場
      : 栃木県下都賀郡 (エンジン・ミッションなどのパワートレイン関係のユニット工場)
     (株)いすゞエンジン製造北海道
      : 北海道苫小牧市 (エンジン・ミッションなどのパワートレイン関係のユニット工場)
     

いすゞ自動車株式会社 主力商品紹介

 

image右がいすゞ自動車の主力商品群です。左上が大型トラックのギガシリーズ。中央が中型トラックのフォワードシリーズ。

左下が小型トラックのエルフシリーズ。関連会社の生産として、右側上の路線バス、右側下の中型大型の観光バスなども扱っております。

パワートレイン関係の主力商品は、各種のトラックに搭載される、小型大型のディーゼルエンジンあるいはミッションがあります。またディーゼルエンジンの優れた経済性・耐久性を活かして船舶や産業機械に搭載される、マリンエンジンや産業エンジン等の生産も行っています。

ここで、いすゞ自動車のコア技術でもあるディーゼルエンジンの技術について宣伝も含めて紹介させて頂きます。

  •  Environment (環境への貢献)
  •  Energy (資源への貢献)
  •  Economy (経済への貢献)
平成15年は皆様ご承知のように、東京都などによる自治体関係のディーゼルエンジンの排出ガス規制が非常に話題となりました。いすゞ自動車では、「21世紀地球の抱える諸問題をディーゼルエンジンで解決」を合言葉に排出ガスクリーン化による環境への貢献を推進しています。

さらに低燃費エンジンの開発による資源への貢献、優れた耐久性高出力化による経済への貢献に取り組んでいます。

特に排出ガスのクリーン化につきましては(1)燃焼の最適化、(2)排ガスの後処理、(3)総合的な電子制御。この3つの柱で推進しています。これから先、ますます排出ガスの規制が厳しくなると思いますが、デイーゼルエンジンのメリットを活かし、排出ガスのクリーン化へこれからも積極的に取り組んでいきます。
     

組織構成

 

いすゞ自動車の車両部門及びパワートレイン部門の組織について簡単に紹介します。

全体の組織としては、デザイン・車両やエンジンの設計部門が所属する開発部門。購買関係の各部が所属する購買部門。さらに生産技術と工場関係の各部が所属する生産部門。この3つの部門から構成されています。私が所属している金型の設計製作ショップは、生産部門の中の車両生産部門の中に位置付けられています。

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下図は、金型の設計製作ショップの組織を示しています。

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金型の設計製作ショップは、車両部品技術部の中にあり、型設計グループのダイレイアウト設計、および型構造設計を行っています。型設計グループの人員は12名です。型設計の後工程として、金型の製作現場である造型工作課があります。造型工作課には全体で79名(金型のメンテナンス要員16名を含む)となっています。
     

金型の製作拠点と金型の供給先

  国内の藤沢・川崎の両工場向けに加えまして、近年、急速にグローバル化が進展しており、いすゞグループ各拠点はもとより、GMグループの海外拠点への金型供給が非常に増えています。具体的には、アメリカのSIA。イギリスのIBC。また、中国の慶鈴汽車社・江鈴汽車社。タイのIMCT。インドネシアのパンチャモータなどがあります。また、南アフリカのデルタモータ等にも金型を供給しています。

海外での金型の製作拠点としては、タイのTID、中国の慶鈴汽車社、インドネシアのIPPIが、海外での金型の製作拠点となっていて、いすゞ藤沢の我々のショップが技術指導等を行っています。
     

取り扱う金型の種類と使用CADシステム

 

私ども金型ショップでは、車両関係の金型として、量産のプレス金型。インジェクション成形の樹脂金型を内製しています。プレス金型は大物の外板部品の金型が中心です。樹脂金型は、まだ内製の歴史が浅く今後力を入れていく対象として考えています。

imageまた、パワートレイン関係の素材成形用金型として、シリンダーブロックやミッションケース等のハイプレッシャーのダイカスト型、シリンダーヘッド等を成形するための、GDC金型の内製をしています。

このようにいろいろな金型を内製していますが、主要業務はプレス金型の設計と製作です。プレス金型については社内の試作部門からオーダーがあれば、一部試作型も内製しています。

CADシステムとしては、開発部門であるデザイン・車体設計、生産技術の各部門では主にUnigraphicsを使用しています。私ども金型ShopではCAD/CAMシステムとして、CADCEUS14台と2次元のI-CAD9台を使用しています。

image機械加工Shopでは、大型の縦型NC縦彫り機6台。中型の縦型のNC加工機2台。横型1台を保有しています。機械加工Shopの後工程のトライアウトShopでは3台のプレス機でトライアウトを行っています。

     

プレス型 設計・製作フロー

 

プレス金型製作フローのうち、主にCAD/CAM部分の関連のフローについて紹介します。

まず型設計、造型工作課と同じ車両部品技術部にあるプレスグループが、CAEで成形評価を行い、プレス部品の工法計画を行います。

計画情報やデータが型設計グループのほうに供給され、型設計グループではダイフェースの詳細設計、後工程の金型作成で必要となる、フランジのトリム展開を行っています。この後、ダイフェースデータとトリム展開のデータはダイレイアウトの図面、いわゆる加工要領図という図面とともに、造型工作課のNCショップに流れていきます。

これと並行して、型設計グループではダイフェースデータと後工程のデータを元に、金型の構造部の設計をソリッドベースで行っています。ここで作られたデータも図面とともにNCショップにアウトプットされていきます。NCデータ作成ショップでは、型設計から供給される三次元の面データをベースに、金型の形状加工用のNCパス・データを作成します。同時に、型設計から供給される型構造のソリッドデータをもとにして構造部NC加工のためのNCデータを作成します。

これらのデータは、最終的には機械加工ショップにDNCで転送されて、金型の機械加工が行われます。

 
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  第2回につづく・・・
   

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