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CADCEUSの有効利用と中国ネットワークについて(第1回)
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黒沢孝夫氏 |
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1984年 |
大手製薬メーカーとのタイアップにて血液の遠心分離治療器の開発、設計に従事 |
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1986年 |
(株)富士精工 入社。金型設計部門のCAD化を押し進め、取り組み後1年後に設計の全作業のCAD化を達成 |
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1989年 |
CADCAMの3D化に取り組み、現在に至る |
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2000年 |
取締役営業本部長として就任 |
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初めまして。(株)富士精工の黒沢と申します。
我々金型メーカーは、モノづくりの下流工程にあたりまして、いわゆる有形製造物のメーカーです。200人程度の風に吹かれれば飛んで行ってしまいそうな金型メーカーですが、飛ばされないように無い頭を絞って一生懸命改善に取り組んでおります。今日はそんな会社の奮闘喜劇を、力を抜いて聞いて頂きたいと思います。
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フジグループの現在
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私共は、フジグループという3社構成のグループになっております。一番親会社になりますのが「富士精工」です。社員は約95名で、プラスチック金型を作成しています。今は携帯電話等の比率が非常に高まりまして、7割程度は携帯電話用の金型でしょうか。2つ目の会社が「フジ」です。こちらは社員約70名で、自動車関係の部品やプリンター関係の金型を作っています。もうひとつが「富士工業」という会社で、こちらはモールドベース及び入れ子材の加工、調達をしております。富士工業は、3次元のデータだけいただければモールドベースを全て加工出来ます。
携帯電話は同時に何面も作ってほしいという依頼が結構あるのですが、私共はグループ合わせると総勢200名というスタッフがおりますので、そういった瞬間最大風速的な受注にも対応できる体制を作っています。加えて最新の工作機械を駆使することで、出来るだけ短期間にいい物を上げるように取り組んでいます。
また、アルミ金型にも挑戦しています。左の金型サンプルはもう挑戦して10数年経ちますが、全部をアルミにするのではなく製品部の近くにアルミを使用する事によってハイサイクルに成形する事が出来ます。その結果、3面必要だった金型が2面でよいとか、そういったコストメリットをお客様に提供しています。
アルミ金型は成形品の反りとかネジレの防止によいので、反ってはならない物やメカ部品にも多数応用例があります。
このサンプルはもう一世代前、二世代前になるプレイステーションですが、全てをアルミ金型で作って量産しております。約80万ちょっと打って全くトラブルフリーです。
もう一つはウエルドレス金型への挑戦です。プラスチック製品に携わっているとウエルド(溶融樹脂の合流箇所にできる接合痕)は日常的な問題なのですが、ウエルドは一般のユーザーさんには傷や割れのように見えるので嫌われます。
通常の金型ではウエルドを消す事はなかなか出来ないのですが、当社では色々研究を重ねて今はウエルドの全くない製品を作ることに成功しております。
ウエルドがなくなると外観の化粧面がきれいで塗装でのごまかしがいらなくなり、生地をそのまま量産品として使えます。結果的にリサイクル性が上がるので、環境にも優しい、という事で結構引き合いを受けています。
このVAIOのノートパソコン、これは上も下も全てウエルドレス金型によって成形しています。これ以降もノートパソコン中心にこの金型は多数作っております。
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CAD/CAM設備・生産設備
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我々は携帯電話用の金型を作っていますが、全て3次元で設計しています。金型設計は全面的にCADCEUSを使用しており、フジグループ全社でCADCEUSを50台ほど使っています。それ以外に、外注さんへの2D図面展開用に一部MICROCADAMも使っております。以前はCATIAを全社で10台ほど使っていたのですが、今はソリッドモデルがメインですのでCATIAは自動車メーカーさんのデータ受渡し用に1台残してあるだけです。それ以外にSolid
DesignerやPro/Eなど、お客様のデータの受付用に主要なCADは一台づつおいてあります。
CAMの方は色々な物を使いましたが、最終的にはグラフィック・プロダクツのシリーズ、UNIX版のCAM TOOL、Windows版のTOOLSで統一しています。
加工設備について、今まではNCフライスからマシニングになってツールが何本も取り替えられ、非常に早くなったということで喜んでいたのですが、よく考えると、夜2時頃に加工が終わると、翌朝8:30まで非常に高価な機械がアイドルしていることになり勿体無いので、これからはATCでツールチェンジするだけでなく、ワークチェンジ機能が必須だと考えております。
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この機械はマキノのマシニングです。60本のAWC(オートワークチェンジャー)があり、加工される方のワークをあらかじめ60個用意しておくことができます。カッターも40本〜60本搭載し、とにかく止まる事がないようにという構想でやっております。セットした時点で完全に位置が出るプリセット技術を3Rという治工具で実現し、全くの無人運転が可能になっています。 |
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<マキノ 60本 AWCマシニング>
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この放電機はマキノのAWCです。放電加工は1回セッティングしてから20時間、30時間と加工時間がかかるのですが、やはりワークが変えられないと夜中に止まってしまったり、土曜日に止まって日曜日1日遊んでしまうことが多かったので、稼動率を上げるためにこちらもワークチェンジャーがついています。
機械の外にプリセッターを用意してありますので、ただテーブルの上にワークを乗せておくだけでどんどん加工してくれます。通常の放電機に比べると約2.5倍から3倍程度の稼働率ですね。その結果台数を減らす事が出来るので、大変有意義です。 |
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<マキノ AWC放電機>
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最後に、私どもとマキノさんとで共同開発しました「空中固定多面加工機」をご紹介します。母体になるのはマキノのV77という大型の縦型マシンニングセンターです。それに一対のインデックステーブルを入れて、ワークを空中に固定して表からでも、横からでも、裏からでも加工する機械を作り上げました。
直径500mm以内のものであれば360°どちら方向にも回転して加工することができるので、携帯電話クラスであれば、この中にモールドベースを入れて、表、裏、水管の加工等が出来ます。また、一定時間加工したらカッターを上げてモールドベースをひっくり返して、切り粉を全部落とすという配慮もされています。
穴開け加工には、ガンドリルを利用しております。
普通のドリルに比べますと約5倍程度のスピードを誇ります。切り粉をリアルタイムで吐き出しながら加工しますので、インチング送りなしで一発で抜いていくことができます。
ワークが回転した場合の位置精度は非常に高く、10μ以内です。もちろん固定トルクも相当なものをかけています。
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<マキノ V77マシニングセンター>
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第2回につづく・・・ |
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