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CADCEUSの有効利用と中国ネットワークについて(第2回)


 
  黒沢孝夫氏
  1984年 大手製薬メーカーとのタイアップにて血液の遠心分離治療器の開発、設計に従事
  1986年 (株)富士精工 入社。金型設計部門のCAD化を押し進め、取り組み後1年後に設計の全作業のCAD化を達成
  1989年 CADCAMの3D化に取り組み、現在に至る
  2000年 取締役営業本部長として就任
   

3次元CAD導入の経緯

 

私共がCADCEUSを本格的に導入して2年半が経ちます。私共の仕事は外観のプラスチック製品が多いので、どうしても自由曲面を扱います。機種検討時はソリッド系のCADもかなり調べたのですが、ソリッド系CADはどうしても自由曲面が弱いですね。パラソリッド系やPro/Eも試しましたが、9割方はいけるんですが残り10%がどうしても行き詰まってしまう。自由曲面が無理なく扱えるCADでなくては仕事が完結しないんです。そんな中でCADCEUSを先行で1台入れて色々確かめてみました。

私共は自社でいちからモデリングをすることはほとんどありません。お客様からデータを頂いて、最小の修正でモデルを作成しないといけない。CADに全部任せて自動修正したらとんでもないものになってしまう事が多いので最小の形状変形やヒーリングでソリッドにしたいのですが、これまでのCADではなかなかうまくいかず、最後は諦めてサーフェスのまま仕事をしてしまう、という事もありました。
CADCEUSはそのあたりの能力が非常に強いと思います。データを入力した後に離れている部分を修正すると、簡単にとはいいませんがほとんどのものがソリッドまで持っていける。そこに最大の魅力を感じました。

それから、MoldDesignという金型支援アプリケーションは非常に大きいインパクトがありました。世の中に「金型支援アプリケーション」と名前がついているソフトウェアはいくつかありますが、本来の金型設計を支援してくれるソフトウェアは少ない。だからといって自社でこの辺を開発するとなるとものすごいコストとデバック時間が必要になります。そういう中でCADCEUSにはMoldDesignがあって、業務適用上不足の部分があれば積極的に開発するという心強い言葉を頂きましたので、CADCEUS採用を決めたわけです。

   

3次元CAD導入のメリット

 

当時から顧客はほとんどの場合3次元モデルを出して来ていました。IDEAS、Pro/E、CATIA、UG、SolidWorks、いろんなデータが入ってきます。それを専用インタフェースやSTEP・IGESでなんとか受け取って、その頃メインで使っていたMicroCADAMや三次元ソフトに落として四苦八苦して使っていたのですが、変換がうまくいかないためにソリッドにできないとか、穴が開いてるままCAMにいって食い込みがおこることが頻繁にありました。このへんもCADCEUSに入れ替えて改善できました。

導入後しばらくは、昔の資産が捨てられないとか、面倒くさいから2Dでいっちゃうということもあったのですが、ようやくすっきりしてきました。データ授受用にCADfixも購入していますが、デフォルトトレランスのようにどうしてもデータがおかしいところのみCADfixを利用するぐらいで、それ以外の修正はほとんどCADCEUSで対応できてしまうくらいモデルの修復能力は高いです。

下の絵はエアコンの露を受けるドレインパンという部品です。私が3次元CADで一番やりたかったのがこの部分でした。このパイプのようなものは、ドレインから出る排出口です。この部品をCADCEUS導入直前まで2次元CADで設計しておりました。

すべてのスライドがXY方向とか一方向に傾いているくらいであれば2次元のCADでやってもなんでもないのですが、X方向に何度傾いて、Y方向に何度傾いてという形だと、2次元CADでは間違いが多発します。それでもなんとかやりくりしながら作るのですが、最後に組み立てようとしたら隙間があって組み立てられないとか、ぶつかってしまってダメだとか、そういうことの繰り返しだったのです。

   
 
   
  これを3次元CADにおきかえることにより、一発でトラブルフリーになりました。しかも検図というのが一切不要になりました。この部分をCADAMの2D図面で表記しようとすると、少なくとも2年程度CADをやっていてCADAMのVIEWという投影図機能を100%駆使できる人じゃないと書けなかったんですね。なんとこれを、入社3ヶ月の新人がCADCEUSを使って全部一人でやりきってしまいました。まさしくCADCEUSさまさまで、3次元CADの醍醐味というのを感じました。これで設計の3次元化の口火が切れたと感じています。
   

標準化と類似設計・自動化

 

それからもうかれこれ2年やっておりますので、部品資産の標準化も進んでいます。進んでいるといってもまだまだ皆さまより少ないと思うんですけれども、携帯電話を月に30型、40型こなしております。携帯電話も昔は一本の棒タイプでしたが、今は必ずといっていいほど折りたたみのタイプです。そうすると各社さんほとんど大きさが同じで、スライド等の仕組みは違いますけれどもほとんどモールドベースを共有できます。スライドもある程度の大きさで標準化しておけば、貼り付ける形状を若干いじるだけで終りということになります。

   
 
   
  上の絵の青色っぽいのが製品です。我々はとりあえずそこに必要なスライド関係を取りつけてしまいます。そして、これで十分アンダーカット(通常の方法では製品が抜けない部分)の処理ができるなと判断したら、あとは標準化してあるモールドベースにのせるだけで基本的に設計は終わります。3次元CADを入れた当初はこの辺だけでも7〜8日位かかっていたのですが、今は慣れも手伝って4日程度で設計を全て終了できます。50%までは減ってないですけれども、4割位日程短縮できていると言っても過言ではないですね。

3次元設計は類似品の設計には効果絶大です。3次元でデータベースを作っておくと非常に簡単に処理ができる。2次元の時でも類似設計というのはあったのですが、やっぱり正面図、側面図、断面図とすべて書き換えなければならないので、書き換えのミスがあったり、寸法記入のミスがあったりするんです。

3次元の場合はとにかく本体を書き換えればそれで終わり。あとはこのままCAMに持っていければ図面はいらないので、私共では外部の協力工場用の図面以外はあまり図面を出力しない方向で取り組んでおります。

客先からきたデータを修正して、キャビティコアを作って、マスターを作って、直掘りをして金型を作る。これは金型メーカーさんであればどちらも同じことをやっていると思います。私共は、日本ユニシス・エクセリューションズの北関東営業所さんと協力しながらCADCEUSをカスタマイズしまして、モデルに必要なマスターは半自動的で作るようにしました。

そして、位置情報を含め材料取り等の情報をマキノの放電機に自動送信します。数値情報を書類に書いて加工現場で再度数値オペレートすると人為ミスを誘発しかねませんので、データを直接機械側に飛ばして、機械は与えられたマスターのナンバーどおり放電するという自動化を今すすめています。

これは当然日本ユニシスさんだけではなく、マキノさん側にも協力をしていただきまして、両者で共通できるデータベースを持って動かす努力を今しております。

   
 
   
   
    第3回につづく・・・
     
     

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