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金型内流動解析 (溶融樹脂と溶融金属) (第2回) |
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平林 繁氏 |
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4.金属流動解析の特殊性 |
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| 金型内流動解析は非定常流体解析の一種であるが、境界条件に関して汎用流体解析とは異なる。前者は解析の開始時点で金型内に流体は存在しない。時間の進行と共に流体が金型内へ充填していく過程を解析するもので、その際一番重要なのが、流体が型内をどのように埋めていくかである。数値解析的には流体先端の自由表面の移動を扱う移動境界問題になる。一般の流体解析では解析領域に流体が充満しているわけでこの点が大きく異なる。移動境界問題の難しさは局所的な誤差が局所に留まらず大局的に波及することである。充填途中で流れがおかしくなるとその後の解析は意味がない。 更に金型内流動解析の特徴として、流路形状(解析領域)が他の流体解析と比較して圧倒的に複雑な点である。金属流動解析で扱う鋳物形状を想い浮かべれば、容易にこの状況は理解できると思う。例えば自動車部品のシリンダブロックやヘッドが解析対象になる。また他の流体解析と異なるのは充分広い内部領域を持たない点である。鋳物を例に説明すると,自動車の軽量化の要請で鋳物部品も薄肉化が進行している。鋳鉄部品も5mm以下,アルミダイカスト部品で3mm以下、電子機器に使用されるマグネ部品は1mm以下が実情であり、流路形状としてはほとんどの節点、要素が境界の影響を受けることになる。その中の流れは2次元流に近い、拘束された3次元流といえる。例えば空調のシュミレーションのように広い内部領域は存在しないのが特徴である。そのような解析領域に対し,汎用流体解析用に開発されたMAC、SMAC,SOLA-VOFなどのアルゴリズムがそのままこの分野に適用されている。一つの例をあげると金属流動解析の商用ソフトの多くが、溶湯を進展させる手法としてVOF法を採用している。VOF法では溶湯先端を時間と共に進めるアルゴリズムにドナーアクセプタ−法(図1)が使われるが,この手法は境界付近で誤差が大きい。それは溶湯を隣接するX,Y,Z方向の要素に移動させるため,斜め境界では常に溶湯の一部が境界に衝突し,拡散が起きることになるからである。これを避ける手法として「METAL FILL」で採用しているマーカー法(図2)がある。この方法では斜め境界に沿ってマーカーを移動させるため、溶湯の衝突がおきない。ただし、マーカー法にも欠点があり流量収支の精度を上げるためには大量のマーカーを発生させる必要がある。以上型内流動における自由表面の移動については未だ明確なアルゴリズムが確立していないのが実情である。この点が精度向上の最大のネックになっている。 |
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| 次にFEMベースの金属流動解析で問題となる点を指摘しておきたい。解析対象の鋳物部品が複雑形状を有するため、形状モデルを有限要素分割するには四面体自動分割に頼らざろう得ない。近年解析のために形状モデルを作成するケースは減少して、CADCAM分野で作成された形状モデルを解析でも使用する場合が多い。そのようなモデルを直接要素分割すると微細な形状に対し,要素形状の悪い四面体が多数生成されるが、そのような悪条件でも安定した解析が求められている。因みに「METAL FILL」ではアスペクト比100の四面体も解析対象にしている。 | ||||||||
| 第3回につづく・・・ | ||||||||
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