HEADER
検索更新情報サイトマップ English Chinese


バックナンバー一覧はこちら >>

「プレス金型ソリッド設計のインフラ整備に向けて」
 〜4年間のCPSS活動報告と今後の展望〜 (第2回)


日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社
 CADCEUS/DigiD事業部長 取締役 山本敏郎

本稿は「型技術 2002年11月号」に掲載した内容です。

     

3.主な活動経緯と成果

 

平成9年の年末から設立準備が開始され、翌年6月9日の発起総会、準備WG活動を経て、正式発足致しました。設立当初は35社のメンバーで、通産省素形材産業室(当時)、型技術協会、金型工業会からのバックアップも得て、九州工業大学鈴木裕教授を代表としてスタートした。

当初3年間の整備期間とその後の保守期間という計画でスタートしましたが、4年間で整備は山場を越え、今年度から保守期間に入っている。(図1:CPSS組織図)

   
 
CPSS組織図
   
 
図1 : CPSS組織図
 

1) 世話人会

  自動車メーカ、金型メーカ、金型部品メーカの代表者にて構成され、CPSS活動全体の方針策定は世話人会において討議し、延べ14回にわたって開催された。会議は討議だけでなく、工場現場の見学、関係有識者を交えての討論等、その論点は、CPSS活動範囲に留まらず、日本の金型産業全般に及んだ。

構成メンバは年度毎に替わったが、日本の金型産業を支えるキーパーソンが参加しており、大変有意義な会議となった。
   

2) データ整備活動

  CPSS活動の主目的であるデータ整備活動には、活動中心としてデータ整備WG(メンバ10社)が組織され、必要とするデータの種類、優先順位、仕様が決定された。その計画を元にデータ登録作業は実施され、

  データ整備点数 : 2672点
  出荷回数 : 11回

となり、金型メーカが希望する部品種は整備・出荷が完了しました。しかしながら、前述のソリッド化の遅れにより、整備データを利用した金型の割合が依然低いことは残念な状況である。

本整備データの特徴は、単なる電子カタログ用のデータと異なり、部品形状に加え、取付形状、部品属性も付加されたデータ構造となっており、製図用データでなく設計実務者の意見を反映したソリッド設計に適した設計用データである。

そのような属性データを組込む為には、CADデータフォーマットは、汎用フォーマット(STEP、IGES)でなくCADCEUS/PressDesign(日本ユニシス製のプレス金型設計用CAD)に限定した整備とならざるを得ず、活動の位置付けに関して論議を要すこととなった(図2:付属付き標準部品例 サイドピン、図3:型設計用フィーチャの利用)。
   
 
付属付き標準部品例
   
 
図2 : 付属付き標準部品例 (サイドピン)
   
 
型設計フィーチャの利用
   
 
図3 : 型設計フィーチャの利用
   

3) 標準化活動

  データ整備に併行して平成12年度から2年間、標準化WGが組織され、部品の標準化の検討を行いました。

本活動は金型部品メーカを中心に実施し、プレート類、パンチ類の2種に絞って仕様の絞込みを調査致しました。 プレート類に関しては3分の1までの絞込みは可能だが、パンチ類に関しては短期では困難であることが判明した。

本活動結果を踏まえ、今後標準化を推進するには、標準化によるメリットの明確化と推進する体制(全自動車メーカの参画、国主導)の確立が必須と考えられます。標準化と革新は表裏の関係にありますが、益々厳しくなる価格競争と短納期化に勝ち残るには避けることのできない課題であると考える。
   

4) 研修会他

  CPSSでは会員の相互研鑚を目的に定期的に研修会を開催し、ソリッド設計を導入する上での課題の克服に役立っている。また、型技術ワークショップ等に出展し外部へのPRも積極的に行っている。
   

4.今後の展望

  今日現在45社に増えた会員参加のもと、7月31日の総会において、今年度の活動計画が承認されCPSS活動は新たなフェーズに入った。

2672点の配布済みデータに対するメンテナンスを中心に行い、会員のデータ利用環境の改善を図り、ソリッド化推進の一助となるべく活動を益々強化する予定である。
   

5.最後に

  現在、金型業界は大変厳しい経営環境にあります。しかしながら、日本国金型が世界の中でリーダ的立場を保持する為には、IT化は避けられない課題である。

経済産業省が進めるデジタルマイスタプロジェクトのように、永年蓄積されたノウハウをナレッジとして活用する仕組みを導入する際も、国内協力企業・海外協力企業とコラボレーションを図る際にも、金型設計のソリッド化は最重要な課題である。

3次元CAMが普及を開始し、完全モデルレスが実現されるまでに約10年の歳月が費やされました。今回の金型設計のソリッド化はCAM導入以上に経営革新を金型工場に求めるものであります。CPSSはこのような必要性から活動しているものであり、関係各位の今まで以上のご支援ご協力をお願いする。

末筆ながら、設立当初から代表としてコンソーシアムの活動に指導的立場を取っていただき、今後も代表として活動いただく予定の九州工業大学鈴木裕教授には心から深く感謝すると共に、4年間様々な活動にご協力いただいた会員、WGメンバ、世話人会メンバ、オブザーバ各位に謝意を表します。
   
    「プレス金型ソリッド設計のインフラ整備に向けて 〜4年間のCPSS活動報告と今後の展望〜 」はこれで終了です。
   

お問合わせは こちら

All Rights Reserved. Copyright© 2002-2008 UEL Corporation